大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)2064 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人水上孝正、同内藤惣一上告趣意第一点について。

所論は単なる法令違反の主張であるばかりでなく、原審において主張せず従つて

原審の判断を受けていない事項を新たに主張するものであり刑訴四〇五条所定の上

告適法の理由に該当しない。しかも証拠調前に所論のような質問応答がなされたと

しても必ずしも違法でないと解すべきことは、当裁判所の判例の趣旨に照らし明白

である(昭和二五年(あ)一一六六号同年一一月三〇日第一小法廷決定集四巻一一

号二、四三八頁、昭和二五年(あ)三五号同年一二月二〇日大法廷判決参照)。さ

れば論旨は採用に値しない。

同第二点について。

所論は単なる訴訟法違反の主張であり刑訴四〇五条所定の上告適法の理由に該当

しない。のみならず、掛川簡易裁判所にはただ一人の裁判官が配置されているに過

ぎないことは、当裁判所に顕著な事実である。従つて同裁判所裁判官近藤周一が所

論の令状を発布したのは、刑訴規則一八七条二項但書にいわゆる他に裁判官のない

場合として、その処分をなしたものと認められるのである。されば同裁判官が本件

の審判に関与したことを目して違法視することはできないのであるから、控訴趣意

第一点の主張を排斥した原判決には所論のような違法はなく、論旨は単なる訴訟法

違反の主張としても採用に値しないのである。

なお本件は刑訴四一一条を適用すべき場合とも認められない。

よつて刑訴四一四条三八六条一項三号に従い主文の通り決定する。

この決定は裁判官全員の一致した意見でめる。

昭和二六年三月二九日

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最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 眞 野 毅

裁判官 齋 藤 悠 輔

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